ショートパスエバポレーター
高真空での蒸留運転に
熱敏感性・高沸点物質の処理に最適
高真空での蒸留運転に適した装置です。
蒸発管内に薄膜を形成して低沸点成分を短時間で蒸発させるため、サンプルへの加熱時間を抑えた運転が可能です。
また、ガラス器具内を高真空にすることによりサンプルの低沸点化が可能なため、熱敏感性・高沸点物質の処理に適しています。
特徴
- 熱分解をおこしやすい熱敏感性物質の分離に最適(ビタミン、ホルモン、酵素、芳香物質など)。
- 高精度管の使用とワイパー機構により、均一な薄膜を形成。
- 蒸発器本体がホウケイ酸ガラス製のため、耐食・耐薬品性に優れ、内部観察が可能。
- ジョイント部がノングリース仕様のため、不純物の混入を防止。
-
蒸発器と内部冷却器
-
ワイパーの取り外しが簡単
ワイパーで蒸発管内壁に薄膜を形成してサンプルの移動を促進させることにより、低沸点成分を短時間で蒸発させます。蒸発管内を流下するため滞留時間も短く、サンプルへの加熱時間を抑えた運転が可能です。
さらに、蒸発器内部に冷却器があることで蒸発面と凝縮面が近距離になるため、発生蒸気による圧力上昇を抑えることができ、高真空の達成、低沸点化をはかることができるため熱敏感性・高沸点物質の処理に適しています。
蒸発能力
仕様
蒸発管伝熱面積 | 0.05 m² (DN 60)、0.1 m² (DN 100) |
最高許容運転温度 | +200℃ (ジャケット部) ※+300℃ (ジャケット部) 仕様もあります PTFEワイパー:+200℃、PBIワイパー:+300℃ |
装置内許容運転圧力 | 0.1 Pa (0.001 mbar) ~ 常圧 |
媒体槽許容運転圧力 | Full Vacuum ~ +0.05 MPa G (0.5 bar G) |
許容フィード量 | 0.1 ~ 1.5 kg/h (DN 60)、0.3 ~ 3.0 kg/h (DN 100) |
最大許容粘度 | 1,000 mPa・s (特注対応の場合) |
ワイパー許容回転数 | 300 rpm |
接液部材質 | ホウケイ酸ガラス、PTFE、SUS316 |
シール部 | マグネット式カップリング |
※許容運転温度は付帯設備などの諸条件によります。PBI = ポリベンゾイミダゾール
※こちらの製品に撹拌機、恒温槽、チラー、熱媒ホース、真空ポンプ等は含みません。
薄膜式蒸発装置とショートパスエバポレーターの比較
薄膜式蒸発装置 | ショートパスエバポレーター | |
設計圧力 | > 10 Pa (0.1 mbar) 低 ~ 中真空 | > 0.1 Pa (0.001 mbar) 高真空 |
冷却器の位置 | 外部 | 内部 |
- 薄膜式蒸発装置に比べて、ショートパスエバポレーターはガラス器具内をより高真空に引くことができるため、高真空での運転が必要なとき(高沸点成分の蒸留・分離)に向いています。※
- 大量の低沸点成分を薄膜式蒸発装置で取り除き、次に残った高沸点成分を2段目以降のショートパスエバポレーターで分離するなど、多成分混合物の分離と濃縮では2装置とも使用されることもあります。
※ショートパスエバポレーターは、蒸発器内部に冷却器があることで蒸発面と凝縮面が近距離になり、蒸発面から出た蒸気がすぐに内部コンデンサーで凝縮されるため、発生蒸気による圧力上昇を抑えることができます。
そのため薄膜式蒸発装置よりも高真空の達成、低沸点化をはかることが可能です。
動画紹介
-
ショートパスエバポレーター
特注製品(Gold Label)
完全耐食性構造モデルもご用意しています。
・最大口径:DN 450
・最大伝熱面積:1.5 m2
詳しくはお気軽にお問合わせ下さい。