等々、研究開発に携わる皆様にとって、非常に専門的、実践的な内容となっています。
関西大学 副学長
研究推進部長、社会連携部長
環境都市工学部 教授
工学博士 山本 秀樹 先生
山本先生は、溶解度パラメータ(SP値)の草分け的存在であり、環境工学分野において国際的に活躍されています。これまで東京・大阪において多くの講演を行ってこられました。
各種製造業者を中心にご参加いただいています。
合成、潤滑油、スペシャリティ化学(受託)、
ゴム、水処理(薬品、装置)、精油、フィルム、
総合化学メーカー
物質の溶解度パラメータを求めることで、「溶かす、塗る、混ぜやすくする」といった物質のハンドリングにおいて、トライアンドエラーの作業を省き、データベースを用いた評価が可能になります。 「SP値の基本的な知識を得たい!」「SP値を効果的に活用したい!」という方は、この機会に是非ご参加ください。
樹脂を溶解させる溶媒を知りたい | |
課題 | 新しく合成した樹脂を溶媒に溶解させて使用したい |
---|---|
問題点 | どのような溶媒に溶けるかわからない |
解決法 | 樹脂の溶解度パラメータを手に入れるか実験によって求めることで、樹脂の溶解度パラメータに近い溶媒を選択し、良い溶媒を知ることができる |
溶媒抽出に最適な溶媒を選択したい | |
課題 | 食品中に含まれている有価な物質を溶媒抽出で回収したい |
問題点 | 抽出溶媒としてよい溶媒がわからない |
解決法 | 回収したい物質の溶解度パラメータを手に入れるか実験によって求めることで、目的物質の溶解度パラメータに近い溶媒を選択し、良い抽出溶媒を知ることができる |
油や溶媒に対する樹脂の耐性が知りたい | |
課題 | バイオエタノールを混合させたガソリンを使用する場合、自動車部品として使用する樹脂がバイオエタノールガソリンに耐えられるか知りたい |
問題点 | 判断基準がない |
解決法 | バイオエタノールガソリンの溶解度パラメータを手に入れるか実験によって求めることで、その値と近い溶解度パラメータを持つ樹脂は侵されやすく、大きく異なる溶解度パラメータを持つ樹脂は侵されにくいと判断することができる |
紛体を有機溶媒に分散させたい | |
課題 | 新しく作成した紛体を有機溶媒に分散させて使用したい |
問題点 | 紛体の分散性が電気伝導性などのスペックに影響するため、できるだけよい分散をする溶媒が知りたい |
解決法 | 紛体の溶解度パラメータを手に入れるか実験によって求めることで、紛体の溶解度パラメータに近い溶媒を選択し、分散媒として良い溶媒を知ることができる |
J.H.Hildebrand が正則溶液理論の研究において定義した溶解度パラメータ(Solubility Parameter:δ[J/cm3]1/2)は、物質(気体・液体・固体)の凝集エネルギー密度の平方根で示される物質固有の物性値であり、SP 値として一般に知られています。現在でも、SP 値は、物質-物質間の溶解度、ぬれ性、接着性、溶媒中微粒子の分散性の評価に多用されています。C.M.Hansen は、Hildebrand が提案したSP 値の凝集エネルギーの項を、それぞれの物質の分子間に働く相互作用エネルギーの種類によって分割し、SP値を、分散力項(δd)双極子間力項(δp)、水素結合力項(δh)として表し、Hansen 溶解度パラメータ(以下:HSP 値)として提案しました。 さらに、Hansenは、3次元型のHSP 値の水素結合力項(δh)をドナーとアクセプターに分割した4次元型の HSP 値を提案しました。ここでは、3次元型 HSP 値(3D-HSP)に加えて4次元型の HSP 値(4D-HSP)の意味・計算方法、評価方法、Ra の考え方を、実施例として、ナノ粒子表面の4次元型 HSP 値評価、イオン液体の4次元型 HSP 値評価について解説します。
現在、HSP 値は高分子-溶媒間、高分子-高分子間などの相溶性評価、ナノ粒子の溶媒中での凝集・分散性評価、各種樹脂の溶媒に対する耐性評価、界面活性剤、イオン液体、液体物性値(表面張力、屈折率、誘電率、熱伝導度、比熱、沸点、融点など)との相関など、幅広く用いられています。また、HSP 値は、化学製品の製造工程において、溶質に対する最適溶媒の選択や混合溶媒の最適な組み合わせの選定、さらに、最適混合比などにも有効であることが報告されています。
近年、Hansen の研究グループは、分子構造が未知である高分子やフラーレン、カーボンブラック、TiO2 などの微粒子・ナノ粒子表面のHSP 値を実験的に求める新しい手法として、Hansen solubility sphere 法(以下Hansen 溶解球法)を提案しており、その汎用性の高さから現在多くの研究者から注目されています。 さらに今回は、4次元型の HSP の考え方、研究室で独自開発した、浸透速度法による微粒子表面の HSP 測定、改良型 IGC 法(逆相クロマトグラフ法)による HSP 測定法のノウハウ最前線を説明します。
演題 |
Hansen 溶解度パラメータ(SP 値,HSP 値)の基礎と実測・計算・3D,4D 評価方法 ―3次元型・4次元型 HSP の定義および応用― |
---|---|
講演者 |
関西大学 副学長 研究推進部長、社会連携部長 環境都市工学部 教授 工学博士 山本 秀樹 先生 |
日時 | 2021年11月18日(木)10:30~16:30 |
講演形式 |
Zoomを使ったオンライン形式で実施致します。 |
参加費 |
1名様 45,000円(税抜) 2名様以上同時申し込みの場合、1名様につき33,000円(税抜) 学生・教職員の方は、1名様 21,500円(税抜) ※全て資料代込み |
定員 |
最大36名 ※最小参加人数に達しない場合、やむを得ず開催を中止させていただく事がございます。 ご了承ください。 |
参加申込方法 |
下記より申込みをお願い致します。 後日メールにて振り込み方法等のご案内を差し上げます。 |
申込締切日 | 11月7日(日) |
主催 | 株式会社旭製作所 |